久保田 富弘 前総理大臣官邸写真室長 |
師走の銀座で今年も江花道子滞欧作品展が開かれます。新作を携えて帰国する江花さんとの再会が楽しみです。 1988年、竹下総理の欧州歴訪の旅に同行した際、イタリアで始めて江花さんにお会いしてから、早いもので20年が経ちました。その後も東京やローマで何回となく再会の機会に恵まれ、指折り数えてもすぐに答えられないほどになりました。江花さんはいつお会いする折でも、最初の出会いの時と少しも変わらない、天真爛漫な笑顔で接してくださることでした。 数年ほど前になりますが、個展会場の一隅で制作に取り組んでおられました。キャンバスを前にしたその真剣な眼差 しを目にしたとき、江花さんの創作の源に触れたような気がいたしました。 寸暇も惜しまず描くことに没頭する江花さんの真摯な姿には、いつも頭の下がる思いがします。今年の新作は歳末の銀座に彩りを添えることでしょう。どんな作品に出会えるか、今までにも増してその日が待たれます。 |